職員紹介2021 / 02 / 02

人の成長にとことん向き合う、就労支援の面白さ。

諸田 洋介さん 「働く」を支える。

そう笑いながら、ご自身の仕事を振り返る諸田 洋介さん。

南高愛隣会で働いて13年目の春を「久遠チョコレート島原店」で迎えました。このお店では、知的な障がいのある方たちがチョコレートの製造・販売に携わり、諸田さんは支援員としてそのサポートをしています。

支援員としては経験豊富な諸田さんですが、「久遠チョコレート」での仕事は始めたばかり。「フレッシュな気持ちで、利用者さん達からも教わる日々です」と語ります。

「働く」ということを支援するという形で、人の成長に携わる中で、自分自身の心が震える瞬間がたくさんありました。

様々な形で、障がいのある方の成長・挑戦と向き合ってきた沖田さんのキャリアを伺いながら、“「働く」を支える” という仕事の価値を探ります。

■「牛の世話」で気づく、障がい者支援という仕事の奥深さ。

昔から漠然と「人の成長に携わりたい」という気持ちがあり、「成長」というキーワードから、元々は保育の道を志していた諸田さん。

学校で保育や福祉を学ぶ中で、障がい児・障がい者支援という仕事を知り、「小さい子ども以外でも、人の『成長』に携わる仕事があるんだな」と興味を持つようになりました。

南高愛隣会を就職先に選んだきっかけは、地元の法人だったから。入職をしてから、障がいのある方の暮らしを支えるために、幅広い事業を手掛けていることに改めて驚かされたそうです。

元々、障がい者支援の仕事というと、重度な障がいのある方の生活支援のイメージが強くありました。

でも、最初に配属されたのは、障がいのある方の自立訓練の場で、長崎和牛を飼育することになり、びっくりしました。(笑)

当然、牛の世話なんて初めてで何も分からなかった自分に、利用者の皆さんも色々と教えてくれて、「こんなこともできるんだ」と驚かされました。

もちろん障がいがある中で、出来る範囲は人それぞれではありますが、一人ひとりが責任感を持って自分の仕事に向き合っている。それがすごく良いなと思えました。

障がいがあることで、生活に様々なサポートが必要な方の支援をする。
そんな風に漠然と抱いていた「障がい者支援」という仕事のイメージが、生き生きと牛の世話しながら汗を流す利用者の皆さんの姿を見て、大きく広がっていったそうです。

「人の成長に携わりたい」という気持ちを持っていた諸田さんにとって、障がいのある方の就労支援という仕事は、利用者さんとのかかわりの中で、日々発見や学びを得られ、自分自身の成長にもつながっているそうです。

果物やナッツをふんだんに使用した「プレミアムテリーヌ」。
利用者の皆さんが一つひとつ手作業で食材をトッピングします。

人が変わる、成長する“きっかけ”をつくる仕事。

利用者さんが成長できるのは、本人が一番努力し、がんばったから。
でも、一人ひとりの努力を自分たち支援者が応援し、本人が成長するきっかけになれた。
そんな風に感じられた時が、とても嬉しい。

諸田さんは、この仕事の醍醐味をそう語ります。

「長崎能力開発センター」では、たくさんの利用者さんがセンターでスキルを高め、毎年就職してセンターを離れていきます。

Aさんという利用者さんは、在籍中は課題も大きく、私たち職員も指摘をしたり注意をしたりすることも多い方でした。指摘をされることで悔しい思いもたくさんしていたので、注意をする側の私に対して反発ばかりだったので、「嫌われているだろうな」と思っていました。

そのAさんが就職が決まった時、泣きながら報告に来てくれて、「就職できたのは、諸田さんのおかげです。」と感謝の言葉をくれたのは、とても嬉しかったです。

就職をして、新たな場所で一生懸命活躍をしている元利用者さんの姿を見るのも、大きな喜びの一つ。

現在支援をしている利用者さんの実習を、かつての卒業生が先輩としてサポートしてくれることもあり、「以前に私がサポートをしていた人が、今度は私の仕事のサポートをしてくれるんだ」と、就職後もまた違った形で再会し、かかわりあえる「人と人との縁」を感じられるのも、とても良い仕事だと感じているそうです。

■ 形を変えても、人の成長を応援し続ける。

様々な形で、障がいのある方の「成長」を応援してきた諸田さん自身は、これからどんな「成長」をしていきたいのか。これから歩んでいきたい「道」についても伺いました。

これまでは、「現場で支える」というかかわりが多かったので、これからは外に出てみたいですね。企業実習の支援など、利用者さんたちがどのように社会の中で活躍できるのかということを、もっと考えてみたいです。

マネジメントの仕事や所長になっていくというキャリアアップも意識しています。

どんな形でも、利用者さんの「~したい」という想いを大切に、その「成長」を応援できる仕事をしていきたいです。

そう話す諸田さんからは、学生時代からずっと持ち続けている「人の成長に携わりたい」という想いがぶれずに存在していることが伝わってきました。

牛の世話、しいたけづくり、素麺づくりにチョコレート…。

利用者の皆さんと共に向き合うものは変わっても、自分や誰かの成長に一生懸命にチャレンジをする諸田さん。

これから歩む「道」にもきっと、たくさんの出会いと「成長」が待っているはずです。


※「働く」を支える仕事

障がいのある人たちが、「働く」ことを通して、地域社会の一員として活躍することを応援します。
商品の質で勝負する「働く場」、一般企業への就職トレーニング、地元企業と連携して活躍できる職場の開拓など、やりがいと誇りを持って働ける仕組みをつくっています。