私たちの話2022 / 07 / 15

研修日記 生活介護 (TERRACEとらいあんぐる)

~いつまでも元気に長生き~

6月28日、TERRACEとらいあんぐる研修1日目。

緑が生い茂る山道をひたすら登っていくと、牛舎や鶏舎が見えてくる。その先を行ったところに、板に描かれた「TERRACEとらいあんぐる」という文字が見える。

TERRACEとらいあんぐるは、雲仙地区「LOCAL STATION CIRCLE(ローカルステーションサークル)」内にある、生活介護の事業所。

とらいあんぐるには、全部であかね、ありあけ、れいめい、あかつきの4軒の建物がある。もともとグループホームだったため、普通の家に見える。

「あかね」の特徴は構造化。構造化は、1人部屋で、1日のスケジュールが時計と、絵カードで表されている。利用者は、一つ活動が終わると、また次の活動に取り組む。
また、「ありあけ」は女性、「れいめい」は強度行動障がい者、「あかつき」は高齢者が、それぞれ3、4人ずつ利用している。

このように、とらいあんぐるの強みは、建物別に、少人数で、それぞれの利用者さんに合った支援ができるところ。

今日の研修場所は「あかつき」。

午前は乗馬活動に取り組む。

  馬に乗る利用者さんを支える職員

 

馬を引きながら、利用者さんに声をかける職員

馬に乗った後、しきりに地面を見つめる利用者さん。

「近くを見たら怖いから、遠くを見てください」と、ホースセラピー研究センターの職員。

ゴールが近づくと、「もう着きますよ、顔上げてください」。

ここでの利用者さんの目標は、いつまでも元気に長生きすることと、元気に活動に参加すること。職員は、こうした利用者さんの目標を叶えるため、日々馬を引いている。

乗馬が終わると昼食。

今日のメニューは、ご飯と、チキン南蛮と、煮卵。特に卵の黄身は、のどに詰まりやすいため、とろみをつけて食べさせる。また、よく噛まない方には、スプーン一口サイズに切って、出すようにしている。

「○○さん、お肉ですよ」

利用者さんのお皿にチキン南蛮をよそう職員。

事前に何の食べ物なのか伝えることで、利用者さんは、それがどんな味で、どんな食べ方をするべきなのか、その感覚を思い出すことができる。誤嚥予防にもなる。

こうした食事介助は、利用者さんの命に関わることで、とても大切な仕事。

 

~自由な発想で 絵を描く~

6月29 日、TERRACEとらいあんぐる研修2日目。

今日の研修は、れいめい。家の中には、至るところに絵が描いてある。

  利用者さんが壁に描いたたくさんの絵

他の生活介護の事業所と同様に、職員は利用者さんが来る前に、机やいすをアルコール消毒する。そして、利用者さんが来ると、体温、血圧を測り、その日一日分のお茶を作る。

れいめいには、強度行動障がいを持つ方々が利用する。職員は、今日の予定を絵カードにして柱に貼り、そうした利用者さんが混乱せず、スムーズに活動に取り組めるようにしている。

時計と、絵カード

 

今日の予定について絵カードを使って、説明する職員

 

午前の活動は、百花台公園でのウォーキング。

最初はなかなか歩き出そうとしなかった利用者さん。地面の石や草を踏むことにこだわりがあり、職員もそれに寄り添って歩く。

ウォーキングでは、「しっかり体を動かしてほしい」と語る職員。

最近、食欲がなかったという利用者さんの家族からは、活動で体を動かしてお腹を空かせてほしい、と要望が出ている。

 

ウォーキングが終わると、昼食。昼食の際、薬を飲まなければいけない利用者さんが多い。

「○○さん、お薬飲みます」。

職員は、自分以外にもう一人、他の職員にも伝えて、確認する。後で、服薬チェック表にも記入する。

 

昼食後は口腔ケア。職員は、ビニールエプロンと、マスク、手袋、眼鏡をつけ、歯磨きをする。週に1回、歯ブラシの消毒も欠かさず行う。

 

午後になると、「ありあけ」と「あかつき」の利用者さんと一緒に、創作活動。

手に黄色の絵具をつけ、手形で花びらを作って、ひまわりの絵を描く。

利用者さんの手形で作ったひまわりの絵

どんな活動をするか、考えることも職員の仕事の一つ。どうしたら利用者さんが喜ぶか、職員は、日々考えを巡らせている。

一方で、手形ではなく、それぞれ思い思いの絵を描き始める利用者さんもいる。

 

 

こういうものを作らないといけない、という決まりはなく、絵具を指につけてその感触を楽しみ、その楽しいという気持ちを率直に表現している。

「自由な発想!」と、その絵に引き付けられる職員。

 

南高愛隣会では、「アール・ブリュット」という芸術活動に力を入れ、多くの作家を集めた展覧会を開催している。

アール・ブリュット(art brut)という言葉は、フランス語で「生の芸術」を意味するもの。作家の純粋で、生な作品を生み出す衝動を背景とした芸術こそ「生の芸術」である。

作家に何らかの障がいがあろうとなかろうと、芸術は芸術。

より多くの芸術作品を世の中に広める役割を担っているのも、南高愛隣会の魅力の一つ。