私たちの話2023 / 11 / 16

諫早市立長田中学校        ユニバーサル公演事業

「ドン・カチカチ・ドン、カチカチ・ドン、そーれ、そーれ」

 

「皆さんばっちりです!」

「大きく打つことは、自分が大きくなることです。思いっきり大きくバンザイ、さらに大きくなって打ちます。」

 

「8人で一つの演奏、がんばるぞー!!」

「おー!」

瑞宝太鼓は文化庁による「令和5年度 文化芸術による子供育成推進事業(ユニバーサル公演事業)」(以下「ユニバ事業」)の一環として、諫早市立長田中学校にやって来ました。

ユニバ事業とは、小・中・特別支援学校等において、一流の芸術団体が公演やワークショップを行います。未来を担う子どもたちの豊かな発想力やコミニュケーション能力、芸術を楽しむ力の向上を目指し、表現の多様性や障がいへの理解を深める体験を提供することを目的としています。

10/31(火)、今日はこれまで3回の練習の成果を皆の前で披露する発表会です。

瑞宝太鼓のメンバーとともに演奏を披露するのは、長田中学校の1・2年生の計8名です。

自ら希望して参加したという生徒は、

「去年、(瑞宝太鼓が)学校に来て、和太鼓を初めて聞いて、すごいと思った。自分もやりたくなった。」と話します。

本番開始の20分前から、ぞくぞくと地域の方々や保護者の方々が詰めかけています。

 

「みなさん、こんにちは!」「雲仙市瑞穂町からやってきました、瑞宝太鼓です!」

瑞宝太鼓の公演スタートです。

いつまでも楽しく打ち続ける。という意味が込められた曲「打楽」と、拠点とする雲仙市の豊かな自然をイメージした曲「雲仙」の2曲より幕が上がりました。

その後も何曲か演奏が続き、休憩を挟んだ後、いよいよ瑞宝太鼓のメンバーと長田中学校の生徒による発表です。

自然に体を小刻みに動かしてリズムを取り、周りの友達を見て笑顔になり、まるで全員で大きな波に乗っているようです。

 

「ドドン、そーれ、ドドン、そーれ、ドドン、ドドン」

「トントントン トントントントン」

和太鼓の音色を聞くと、その会場すべてに振動が伝わります。

鑑賞しているすべての人の体の中にも音色が循環しているような感覚になります。

全員が一体となって、音楽を楽しむことがこんなにも心地良いことなんだ、と改めて気づきます。

最後、一斉に 「トントントン、よーお、サー!」

会場からは拍手喝采。

 

演奏を終えた生徒が感想を語ります。

「(和太鼓は)初めてだったけど、練習もわかりやすく、打つのもとても楽しかった。」

「最初は緊張したけど、これだけ上達できてうれしかった。」

「最後まで全力で演奏できてよかった。また、やりたい。」

と晴れやかな表情を見せました。

練習中には、手に豆ができたり、筋肉痛になったことも。

皆の前で、心のままに演奏できたことは、きっとこれからの人生を歩む上で、大きな糧になることでしょう。

 

一番盛り上がったのは、和太鼓の体験コーナーです。

ここまでずっと演奏を聞くばかりだった生徒が初めて太鼓のバチを持ち、リズムに乗って、振り下ろします。

 

名残惜しい中、あっという間に長田中学校でのユニバ事業が終わりました。

最後は瑞宝太鼓のお見送りもしていただき、温かい生徒の皆さんと出会えて、本当によかったです。ありがとうございました。